◎台東区の予算特別委員会審議にて本目さよさんがダブルケアについて質問・提言をしてくださいました

ダブルケアかわさきにご関心をお持ちくださり、台東区での講演にも呼んでくださったこともある台東区議の本目さよさんから、予算特別委員会の審議でダブルケアについて質問をしてくださった旨をご連絡をいただきました。

とてもわかりやすい内容なので、下記詳細をぜひお読みいただきたいのですが、ダブルケアラーが困って打ちのめされてきたこと、どうしていいかわからなかったこと、うまく言葉にできなかったことを、すくい上げて代弁し、仕組みとして必要なのではないか、どう思われているのか、ということを具体的に提案をし、区長からの回答を求めてくださっています。

私たちの声をこんな風に拾い上げて、さらに先の具体的な施策に繋げてくださる方々がいるんだなあ、ということに、しみじみと感激です。

抜粋しようにも、とても練られたあたたかくシャープな質疑なので、本目さんにもご了承をいただき全文を転載させていただきます。

ダブルケアは地域を跨って発生することも多いです。川崎ではないですが、できるところから取り組んで行って、社会全体のあり方や支援がどんどん良いものになっていったら良い。なので、こうして台東区でさよさんが頑張ってくださって、本当に嬉しく心強いです。

これからも、川崎に限らず、なるべく丁寧にみなさんの声を集めて、広く伝えていきたいと改めて思います。

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【質問】

ダブルケア(多重ケア)に対する対応の充実について、伺います。
ダブルケアとは、広義では家族や親族等、親密な関係における複数のケア関係や、そこにおける複合的課題を示します。狭い意味だと、育児と介護の同時進行の状況のことです。

ソニー生命が行った調査によると
昭和50年に比べると平成28年時点で平均出産年齢が25歳から30歳へと5歳も上がっています。その分、子育てと親の介護を同時に経験する可能性が上がり、時期も長くなっています。また、「50代女性の4割がダブルケアの経験がある」という調査結果もあります。

実際に私が今まで伺った事例で言いますと、両親の介護もそうなのですが、配偶者の看護なども大きな負担となっています。たとえば、両親共働きでお子さんが一人いるご家庭で、0~2歳の保育園に通わせている。だけど、夫が難病で入院していて、もちろん自分はお金のためにも仕事をやめられないが、3歳の壁で保育園に入れないかもしれない。入れなければどうなるか?働けないので生活保護を受けるしかない状況になります。ただでさえ、仕事と子育ての両立は大変なのに、夫の看護が加わってしまうのです。

他の例では、夫とは別居、二人の子どもの一人は発達障害、一人は不登校。実の妹は重度のアトピーで知的障害。遠方に住む父方の祖母が認知症に。やはり遠方の母方の祖母も頻繁に怪我をしたり入院が続きます。実の父は一人では生活できない状況で、実の母とご本人が手分けをしても合計6つのケアを行うことは休職しなければ難しかったといいます。

こんなときに、どこに相談をすればいいのか?

窓口がないのです。私自身もお話を聞いたときに、それぞれの窓口に繋げることはできます。だた、すべての案件が私にご相談いただけるわけでもないので、私が窓口になることはできません。

様々な領域に渡る状況や課題を何度もダブルケアラーが説明しなくても済むように、関係機関で情報連携をするための、データベースやおくすり手帳のようなものを作っていくべきかと思います。

個人情報保護の観点から部署にまたがる情報の共有は難しいと言うかもしれませんが、区民にとっては役所は役所なので、なぜ情報が流れていないのか?と逆に不安になると言います。

ダブルケアに直面している当事者の方々は・精神的に・体力的に・経済的に打ちのめされてしまいます。
中長期的に伴走できるような仕組みや、ダブルケアの窓口を整えていかなければならないのではないでしょうか?区長のご所見をうかがいます。

また、ダブルケアラーがそれぞれの事情を加味して十分な育児支援や介護の支援を受けられるような加算制度も必要です。現在は特養の申請やこどもクラブでは一定の加算がありますが、保育所はありません。

現状では、十分な介護をしようと思うと、勤務時間が短くなることで、フルタイムワーカーよりも優先度が下がってしまい、必要な育児支援を受けられなくなるのではないかという恐れがダブルケアラーにはあると思われ、実際にそのようなケースを聞いています。

ダブルケアラーの事情を考慮して、十分な育児支援を受けられるよう、保育園の入所審査の際に指数を加算すべきと考えますが、教育長のご所見を伺います。

使いやすいサービスについても非常に重要です。
時間や場所に捉われずに進められる行政手続きが非常に重要です。
多くのダブルケアラーには時間や気持ちの余裕がなく、平日の日中に遠方の窓口までいく余力や、何度も電話をしたり、郵送のやり取りをする余力がないというケースを多く聞きます。
スマホ1つでなにかできる、せめて来庁しなくてもWEB面談などで実施できる、訪問でできるなどの仕組みを整えて行くべきです。ここについては次の質問で取り上げます。

さらに重要なのは、多様なケアと仕事の両立ができるような事業者に対する啓発や支援、特に長時間勤務の是正や、ITを使用したテレワーク化や効率化、相談しやすい職場づくりなどの支援を積極的にすすめていくべきではないでしょうか? 区長のご所見を伺います。
ぜひ、ダブルケアを課題として再度認識していただき、今後行政として取り組んでいただけるようお願いをして、1つ目の質問を終わります。

区の職員の方々皆さんにお願いしたいのは、自分の権限の範囲で回答しきれなかった課題が持ち込まれた時(例えば育児の相談窓口に介護の相談があったようなとき)に、確実に次につなげるような方針や姿勢を持っていただきたいと思います。実際には、「この窓口ではそのようなお話は受け付けていません」と言われ、自分が支援を求めたにも関わらず、公的機関から拒絶されたような印象を持つ方は少なくありません。

▼引用元:「ダブルケアについて提案ー予算特別委員会の審議その2」
https://ameblo.jp/hommeisayo/entry-12582809767.html